AIを作る人がセラピーに通っている
サンフランシスコのローカルメディアThe SF Standardに、こんな記事が出ていた。ベイエリアのセラピストのところへ、AI業界で働く人が次々とやって来ているという。
記事の要約:「世界の終わり」が相談内容になる
記事に登場するセラピストの一人、Menlo Park(シリコンバレーの街の一つ)のCandice Thompsonは、自分の患者の約8割がAIに関わる仕事をしていると話す。しかもこの偏りは、ここ3〜6ヶ月で急に起きたことらしい。
彼女の言葉が印象に残った。かつて「世界が終わる」と言う人がいれば、それは明らかに精神疾患のサインだった。でも今は「検討に値する懸念」になってしまった、と。
サンフランシスコのセラピストAlex Oliver-Gansのほうは、患者の4割がAI業界だと見積もっている。週に60〜70時間、破滅的な結果を防ぐためのガードレールを作り続ける環境で働けば、メンタルヘルスに影響が出る。安全装置を作る仕事に打ち込むほど、その技術がどれだけ危ういかを間近で見ることになるわけで、これはなかなかきつい構造だと思う。
もう一つ引っかかった数字がある。クライアントの約25%が、AIとの会話を持ち出して自分の感情を語るのだという。そしてそこで受け取ったアドバイスには「かなり危険」なものも混じっている、とセラピストは言う。
疲れの原因がAIで、相談相手もAI。入れ子になっている。
画面に焼かれた人たちは、オンラインではなく対面のセラピーを望むようになるらしい。ただしカリフォルニアでは行動衛生(メンタルヘルス)の専門家が5万5000人以上足りていない。Santa Clara郡では精神科部門の4割の席が空いたままだという。
やはりデジタルデトックス
私も、AIに、呑まれているように感じることがある。開発の最前線にいるわけでもないけれど。大きな影響を感じている。
AIが進化する前から、小学生のころから、コンピュータという玩具に魅了されていた。色々あって、数年前からデジタルデトックスを意識するようになった。
以下は、私が行っているデジタルデトックスの一部です。
- ノートに書く。手を動かすと、頭の中で回り続けていたものが外に出ていく。
- 映画を見に行く。家で見るのとは違う。場所を移すことにも意味があるし、シアターでしっかり没入感を得られる。
- ヨガをする。頭からではなく、身体のほうから戻ってくる感覚。
- アロマを焚く。嗅覚から、興奮した脳に直接作用してくれる。即効性を感じる。
- コーピングリストを作る。認知行動療法で使う手法で、自分が落ち着くための手段をあらかじめ書き出しておくリストのこと。しんどくなってから考えるのは難しいので、元気なうちに用意しておく。
一時的でもデジタルから離れて、現実の人間、自然、生活と対峙する時間が、効果的な解毒剤(デトックス)かもしれない。
呑まれる